税金の負担

税金の申告・納税は期限内にしなければならず、一日でも遅れると加算税や延滞税といったペナルティーが課されます。

参考:国税のうち、本税以外の部分(延滞税・利子税・過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税)の事を「附帯税」と言います。

しかも、ペナルティ(加算税)は損金算入も出来ない(法人税法第55条第3項1号)ので、法人からすると払うメリットは何も有りません。従って、何としてでもペナルティは避けたいですよね。

ここでは、法人に課される税金のペナルティーについて、ペナルティの種類や課される条件、課税割合などを見ていきましょう。

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申告をしなかった場合は「無申告加算税」

決算書

法人の確定申告は、事業年度終了の日から2ヶ月以内に提出しなければなりません(参照元:国税庁「申告・納付等の期限」)。

参考:「法人税・住民税・事業税」の確定申告期限は延長する事が出来ますが(消費税の申告期限は延長出来ません)、自由に延長出来る訳では有りません。「申告期限の延長の特例の申請」が認められるのは、基本的には会計監査人の監査を受けていて、決算日後2ヶ月以内に決算が確定出来ない会社です。

確定申告期限までに申告書を提出できずに期限後申告となった場合(無申告の状態で税務署に決定処分された場合も含む)、「無申告加算税」が課される事になります(国税通則法第66条第1項)。

無申告加算税の課税割合

課される無申告加算税の課税割合は、以下の通りです(表中の「改正前」は平成28年12月31日以前、「改正後」は平成29年1月1日以降に法定申告期限が到来するもの)。

修正申告等の時期無申告加算税の割合
(改正前)
無申告加算税の割合
(改正後)
法定申告期限等の翌日から調査通知前まで5%5%
調査通知以降調査による更正等予知前まで5%10%
(15%)
調査による更正等予知以降15%
(20%)
15%
(20%)

参考:調査通知とは、「①実地調査を行う旨②調査対象税目③調査対象期間」の3項目の通知をする事です。また、括弧書きの割合は、無申告の本税のうち「50万円を超える部分に対して適用」されます。

無申告加算税の計算例

無申告加算税の計算例を見てみましょう。

3月31日決算の会社が、平成28年3月期の確定申告期限(5月31日)に間に合わなかったとします。

6月になってから申告書を提出すると、期限後申告なので無申告加算税が課せられますよね。この場合の無申告加算税の金額は、法人税額が60万円だったとすると3万円(60万円×5%)です。

また、決算後2〜3年程度放ったらかしにしていて税務調査が入った場合は、加算税の割合が15%(50万円以上の部分は20%)に上がります。法人税額が60万円だったとすると、加算税の金額は9万5千円(50万円×15%+10万円×20%)ですね。

税務調査前に自主的に確定申告をするかどうかで、かなり大きな差が出ますね・・・。

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申告期限ギリギリの場合は注意が必要!

タイムリミット

確定申告書の提出方法には、主に「電子申告(e-Tax)・書面で郵送・書面で窓口提出」の3つが有りますが、申告期限ギリギリに提出する場合は注意点が有ります。

まず、電子申告(e-Tax)による提出の場合は、データを送信した日時が提出の日時になるので、申告書期限最終日の23時59分59秒までに提出を完了させる様にしましょう。

次に郵送で提出する場合です。税務関係の書類は基本的に「到達主義」が採用されているので、実際に書類が税務署に到着した日をもって「提出日」となります。

但し、確定申告書は提出期限の定められている書類については、「発信主義」が採用されており、郵送による提出の場合は通信日付(切手に対する郵便局の消印)が提出の日となります(参照元:国税庁「税務手続に関する書類の提出時期」)。

ポストに投函した日で決まる訳ではないので注意が必要ですね。ポストの場合、郵便局の人が回収する時間はあらかじめ決まっており、その日の回収時間が終わってから投函すると、通信日付は翌日になってしまいますよ。

参考:税務上の申告書や届け書は「信書」に該当するので、郵便物か信書便物以外の方法で送付する事は出来ません(参照元:総務省「信書のガイドライン」)。

時間外収受箱

最後に、税務署に直接持ち込んで窓口に提出する場合です。税務署の窓口は平日の午前8時30分〜午後5時までしか開いていません。従って、申告期限日の午後5時までに税務署に申告書を提出する必要が有ります。

但し、窓口が開いていない時間帯でも「時間外収受箱」に投函すればOKです。時間外収受箱に投函された書類は、翌朝税務署のスタッフが回収するのですが、回収した時(何時に収受箱を開けるかは不明です)に前日の日付で受付印を押します。

つまり、例えば3月決算の会社は5月31日が申告期限(31日と1日が平日という前提)ですが、31日の窓口営業時間が過ぎたとしても、1日の朝税務署のスタッフが時間外収受箱を開けるまでに申告書を投函する事が出来れば、期限内申告という扱いになるのです。

以上の様に、申告書の提出方法によって申告書の厳密な提出期限が異なりますが、ギリギリにならない様に余裕を持って申告の準備をする様に心がけましょうね。

申告した税額が少なかった場合は「過少申告加算税」

税務署

期限内に確定申告をしたものの、申告誤りや税務調査で損金項目を否認された事などにより、修正申告書を提出し追加で税金を支払わなければならなくなるケースが有ります。

この場合、当初申告した本税と追加で納付する事になった本税との差額について、「過少申告加算税」が課されます(国税通則法第65条第1項)。

参考:期限後申告をした後で税務調査が入り修正申告も必要となった場合、期限後申告をした時点で無申告加算税、修正申告をした時点で過少申告加算税が課される事になります。

過少申告加算税の課税割合

課される過少申告加算税の課税割合は以下の通りです(表中の「改正前」は平成28年12月31日以前、「改正後」は平成29年1月1日以降に法定申告期限が来るもの)。

修正申告等の時期過小申告加算税の割合
(改正前)
過小申告加算税の割合
(改正後)
法定申告期限等の翌日から調査通知前まで対象外対象外
調査通知以降調査による更正等予知前まで対象外5%
(10%)
調査による更正等予知以降10%
(15%)
10%
(15%)

参考:調査通知とは、「①実地調査を行う旨②調査対象税目③調査対象期間」の3項目の通知の事です。また、括弧書きの割合は、無申告の本税のうち「50万円を超える部分に対して適用」されます。

過少申告加算税の計算例

過少申告加算税の計算例を見てましょう。

まず、期限内申告をした後で数ヶ月経ってから自ら間違いに気付いて(税務署から連絡が来る前に)修正申告をし、追加で法人税40万円を納付した場合、過少申告加算税は課されません。

一方で、税務調査が入り修正申告をした場合、追加で40万円の法人税が発生すると過少申告加算税として4万円(40万円×10%)が課されます。

同じ間違いであれば、税務調査で指摘されるのを待つのではなく自ら修正申告をした方が痛手は少ない、という事ですね。

期限までに納付をしなかった場合は「不納付加算税」

税金を期限までに納付しなかった場合、納付し終わるまでの期間については後述する延滞税が課されます。

しかし、それとは別に給与や報酬に対する源泉所得税については、「不納付加算税」というものが用意されているのです(国税通則法第68条)。

源泉徴収票

源泉所得税は、給与等を支払った翌月10日までに納付する必要が有り、(納期の特例が適用される場合は、7月10日と1月20日の年2回のみ。)この期日に1日でも遅れると不納付加算税が課される事になります。

なお、不納付加算税という名前なので、納付をしなかった場合にどの税金でも対象になりそうな感じもしますが、対象はあくまでも「源泉所得税のみ」です。従って、法人税や消費税等を期限内に納付しなかったとしても、不納付加算税は課されません。

不納付加算税の課税割合

不納付加算税の金額は、自主納付した場合は納付すべき税額の5%です。但し、法定納期限後に所轄税務署や国税局の源泉所得税集中処理センター(源泉事務センター)から連絡が有り、納付・納税の告知)をされた場合は、10%となります。

:国税通則法第36条

なお、過去1年間に期限後納付をした事がなく、法定納期限から1ヶ月以内に納付を済ませた場合、不納付加算税は免除されます(国税通則法第67条第3項)。

不納付加算税の計算例

不納付加算税の計算例を見てみましょう。1月〜6月中に支払った給与に対する源泉所得税が123,456円だった場合、不納付加算税の対象金額は、120,000円です(端数計算は後述)。

そして、納期限から2ヶ月遅れてから自主納付した場合、不納付加算税は6,000円(120,000円×5%)です。一方で、税務署から告知をされてから納付した場合の不納付加算税は、12,000円(120,000円×10%)となります。

脱税(隠ぺい・仮装)が有った場合は「重加算税」

脱税

税務調査が入り、法人が脱税(隠蔽・仮装)をしたと判断された場合、不足税額に対して過少申告加算税若しくは不納付加算税の代わりに「重加算税」が課されます(国税通則法第68条)。なお、無申告が仮装隠ぺいによるものだった場合も、無申告加算税の代わりに重加算税が課されます。

他の加算税は、申告期限に遅れたり税務署との意見の相違などによって発生しますが、重加算税だけは特別です。納税者が故意又は重過失によって税金を少なくしているので、税務署からの心証も一気に悪くなります。

参考:脱税をしたら逮捕されると思っている方もいるでしょうが、逮捕されるのは基本的には悪質な手口&高額な脱税した場合のみです。但し、以前は逮捕といえば億単位の脱税ばかりでしたが、最近は数千万円の脱税でも逮捕・起訴される様ですね。

重加算税の課税割合

重加算税は、過少申告加算税や無申告加算税の代わりに課されるもので、計算基礎となった本税の35%が課されます(無申告だった場合は40%)。

なお、平成28年度の税制改正により、平成29年1月1日以降に法定申告期限等が到来する国税については、過去5年以内に無申告加算税又は重加算税を課された事が有る場合、さらに10%上乗せされ合計45%(無申告だった場合は50%)となります。

脱税(隠ぺい・仮装)として認定されるケース

簿外資金

脱税として認定されるのは、「事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装」した場合ですが、これは以下の様なケースが当てはまります(参照元:国税庁「法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」。

  • 二重帳簿を作成している
  • 帳簿等の破棄や隠匿、帳簿書類の改ざん、売上や棚卸資産の除外
  • 特定の損金や税額控除の要件となる証明書や書類の改ざんしている
  • 簿外資産に係る利息収入や賃料収入等を計上していない
  • 簿外資金(脱税によって生じた資金)で役員賞与やその他の費用を支出している
  • 同族会社なのに、架空の名義人等を使用して非同族会社にしている

なお、これらは脱税の意思をもって行われるものなので、誤りや解釈の相違によって過少申告になった場合は、重加算税は課されません

とはいっても、税務調査の現場では(特に税理士が関与していないケース)売上が過少申告されていると、多少強引に重加算税が課されるケースも有るので、事務的な誤りによる場合は強く主張した方が良いでしょう。

重加算税の計算例

電卓とお金

重加算税の計算例を見てみましょう。

会社に税務調査が入り、平成29年5月期の法人税申告書(期限内申告)で脱税をしたと認定され、追加の本税が60万円発生したとしましょう。この場合の重加算税は21万円(60万円×35%)で、仮に無申告だった場合は24万円(60万円×40%)となります。

また、その後平成32年5月期の法人税申告書に対して税務調査が入り、再度脱税の認定をされて追加の本税が60万円発生したとしましょう。この場合、重加算税の金額は27万円(60万円×45%)で、無申告だった場合は、30万円(60万円×50%)となります。

重加算税の金額はかなり大きいですね、本税60万円に対して最大50%の30万円が加算されます。これに加えて、延滞税も発生するので大変です、絶対に脱税はしない様にしましょうね。

申告・納税が遅れたときは「延滞税」

税金は定められた期限までに納付をしなければなりません。期日に遅れると、法定納期限の翌日から本税を納付し終わるまでの間、利息相当額が「延滞税」として課されます。

具体的には、以下の様なケースで延滞税が課されます(国税通則法第60条第1項)。

  • 確定申告等(源泉所得税も含む)で確定した税額を法定納期限()までに完納していない
  • 期限後申告書や修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税額がある
  • 更正や決定の処分を受け、納付しなければならない税額がある

:納期限は「期限内申告の場合は法定納期限」、「期限後申告や修正申告の場合は申告書提出日」、「更正・決定の場合は更正通知書を発した日から1ヶ月後」のこと。

延滞税の課税割合

ショックを受ける女性

延滞税の率は非常に高いです。原則として、納期限の翌日から2ヶ月経過するまでは年7.3%ですが、2ヶ月を経過すると年14.6%に跳ね上がります。

最近は会社が銀行で融資を受けるときでも、せいぜい1〜3%程度の利率ですよね。それと比べるとかなり高利です。本税の金額が大きい場合は、銀行から借りてでも早く返した方が良い、と言われるのも頷けますね。

但し、これはあくまでも「原則として」なので、実際に適用される率はもっと低いです。

平成26年1月1日以降の期間は、以下のうちいずれか低い割合が延滞税の割合として適用されます(租税特別措置法第94条第1項)。

  • 年7.3%(納期限から2ヶ月経過した後は年14.6%)
  • 特例基準割合+1%(納期限から2ヶ月経過した後は+7.3%)

なお、特例基準割合の意味は以下の通り(租税特別措置法第93条第2項)。

各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合

結果、平成26年1月1日以降実際に適用される延滞税の割合は、以下の通りとなります(参照元:国税庁「タックスアンサー 延滞税について」)。

期間2ヶ月経過するまで2ヶ月経過後
平成26年1月1日〜平成26年12月31日年2.9%年9.2%
平成27年1月1日〜平成27年12月31日年2.8%年9.1%
平成28年1月1日〜平成28年12月31日年2.8%年9.1%
平成29年1月1日〜平成29年12月31日年2.7%年9.0%

参考:平成25年12月31日までの期間については、「前年の11月30日において日本銀行が定める基準割引率+4%」が延滞税の割合でした。

原則の割合と比べると大分低いですね。とはいえ、2ヶ月以上経過すると年9%以上の延滞税が発生します。何としてでも早く本税を納付し終えたいところですね。

なお、延滞税は上述した加算税が課される場合でも別途課されますが、加算税自体に延滞税は課されません。従って、税務調査等で追加の納税が発生した場合は、まずは本税を納付した後で加算税を納付する事をオススメします。

加算税の方が少ないからって、先に払っても本税を全額払い終わるまで延滞税はストップしない(国税通則法第62条)ですよ!

延滞税の計算期間の特例

上述の通り、期限内に税金の納付が出来なかった場合は、延滞税が発生します。しかし、脱税行為により税金を逃れたのでなければ、一定の期間を延滞税の計算期間に含めないという「延滞税の計算期間の特例」が適用されます(国税通則法第61条・徴収関係個別通達「延滞税の計算期間の特例規定の取扱いについて」)。

なお、延滞税の計算期間に含められないのは、以下のケースです。

  • ①期限内申告をして、法定申告期限を1年以上経過してから修正申告又は更正があったとき。
  • ②期限後申告の場合で、その申告書を提出して1年以上経過してから修正申告又は更正があったとき。
  • ③確定申告書の提出後に減額更正され、その後さらに修正申告又は更正があったとき。

:平成29年1月1日以降に法定納期限が到来する国税に適用。

カレンダーと電卓

各ケースにおいて除外される計算期間は以下の通り。

  • ①法定申告期限後1年を経過する日の翌日から修正申告書を提出した日までの期間
  • ②期限後申告後1年を経過する日の翌日から修正申告書を提出した日までの期間
  • ③当初申告書記載の税額を納付した日の翌日から当該減額更正に係る更正通知書が発せられた日までの期間&減額更正に係る更正通知書が発せられた日の翌日から修正申告書が提出され、又は増額更正に係る更正通知書が発せられた日までの期間

延滞税の計算例

延滞税の計算例を見てみましょう(平成29年1月1日〜平成29年12月31日の特例基準割合を採用)。

法定納期限までに法人税(本税150万円)を納付する事の出来なかった会社が、納期限の翌日から5ヶ月後に完納した場合、延滞税の金額は以下の通りとなります(便宜上、1ヶ月を30日として計算しています。)

①法定納期限の翌日から2ヶ月経過するまでの分
(150万円×60日×2.7%)÷365日=6,657円

:1円未満の端数は切捨(参照元:国税庁「延滞税の計算方法」)

②法定納期限の翌日から2ヶ月経過した日以降の分
(150万円×90日×9.0%)÷365日=33,287円

①+②=39,944円・・・100円未満は切捨(後述)なので、延滞税の金額は39,900円です。

法定納期限の翌日から2ヶ月を経過すると、一気に延滞税が高くなりましたね。延滞する場合には注意が必要です!

正当な理由が有る場合は加算税が免除される!?

上記の通り、申告期限までに申告書が提出出来なかったり、納付期限までに納付が出来なかった様な場合には加算税が課されます。

しかし、「期限に間に合わなかった場合にその理由が何であれ加算税を課す」、としてしまうと納税者にとって酷ですよね。

そこで、過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税については、「正当な理由が有る場合には課さない」という救済措置が用意されています(国税通則法第65条4項・第66条1項・第67条1項)。

参考:重加算税は脱税をした方に課されるものなので、救済措置は有りません。

納得する女性

但し、「正当な理由」については個別の判断となり、実務上認められるのは中々難しい様です。以下で、正当な理由の有無について争った判例をいくつか見てみましょう。

納税者が、親会社(外国法人)から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したところ、それは給与所得に当たるとして税務署に指摘された。

しかし、課税庁が税務上の取扱を変更し、それを通達に明記した時期が当該申告よりも後だった事や、一時所得とする見解にも相応の論拠が有る事などから、一時所得として申告した事に正当な理由が認められた。(参照元:最判平成19年7月6日集民第225号39頁

納税者は、郵便局(無集配局)の窓口へ確定申告期限の日に申告書を提出し、所轄税務署長宛に郵送したが、郵便局内の取扱によって通信日付が翌日になった例。税務署は通信日付が期限の翌日なので、期限後申告として扱い無申告加算税の賦課決定をした。

しかし、郵便局内のルールは専門知識であって、営業時間中に郵便局の窓口に提出すればその日の通信日付が押されると思うのは当然の事。

従って、国税通則法第66条第1項但書のいう「正当な理由」に該当し、無申告加算税は課されない事となった(東京地判平成17年12月16日判タ1222号172頁)。

加算税や延滞税の端数計算

電卓を触る女性

加算税や延滞税について解説して来ましたが、対象となる本税の金額が小さい場合でも必ず加算税や延滞税が発生するのか、というとそういう訳では有りません。

加算税や延滞税の端数計算については国税通則法で定められており、計算の結果端数が切捨てられてペナルティが発生しないケースも有るのです。

国税通則法第118条及び119条では、端数計算の方法に関して以下の様に規定されています。

・附帯税の額を計算する場合において、その計算の基礎となる税額に一万円未満の端数があるとき、又はその税額の全額が一万円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。

・附帯税の確定金額に百円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満(加算税に係るものについては、五千円未満)であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。

これをまとめると、以下の通りとなります。

 延滞税加算税
基礎となる本税・1万円未満の端数切捨・1万円未満の端数切捨
計算結果・100円未満の端数は切捨
・1,000円未満の場合は全額切捨
・100円未満の端数は切捨
・5,000円未満の場合は全額切捨

つまり、「本税の金額が1万円未満であれば加算税も延滞税もかからない」「計算した結果、加算税は5,000円、延滞税は1,000円未満であればかからない」という事ですね。

なお、端数計算は後述する地方税(加算金・延滞金)でも定められています(地方税法第20条の4の2)。

具体的には、基礎となる本税は2,000円未満の場合は全額切捨てされ、2,000円を超える場合は1,000円未満の端数が切捨てられます。また、加算金や延滞金は、1,000円未満であれば全額切捨てされ、1,000円を超える場合は100円未満の端数が切捨てられます。

地方税にもペナルティ有り!

ここまでは、法人税や消費税などの国税についてのお話でしたが、都道府県や市町村に対して支払う地方税についても同様のペナルティが用意されています(地方税法第72条の46、第72条の47等)。

但し、国税とはペナルティの名称が微妙に異なり、加算税は「加算金」、延滞税は「延滞金」と呼ばれています。

参考:国税でいう無申告加算税は、地方税では「不申告加算金」といいます。

まとめ

いかがでしたか?申告期限や納付期限に遅れたり、申告税額が少なかったりすると様々なペナルティを課される事が分かりましたね。ペナルティを払っても会社にとって何ら良い事はないので、しっかりと期限内申告・納付を心がける様にしましょうね。また、脱税は厳禁です!

最後に、加算税の課税割合を一覧にしてまとめておきますね(平成29年1月1日以降に法定申告期限又は法定納期限の到来する国税が対象)。

加算税の種類内容税率
無申告加算税自主的に行う期限後申告5%
調査通知以降更正等予知までの申告10 %
(15%)
調査による更正等予知以降の申告15%
(20%)
過少申告加算税自主的に行う期限後申告対象外
調査通知以降更正等予知までの修正申告5 %
(10%)
調査による更正等予知以降の修正申告10%
(15%)
不納付加算税過去1年以内に滞納がなく、納付期限から1ヶ月以内に完納した場合免除
自主納付5%
税務署からの告知後の納付10%
重加算税過少申告加算税・不納付加算税の代わりに課される場合35%
無申告加算税の代わりに課される場合40%
過去5年以内に重加算税が課された場合(過少申告・不納付)45%
過去5年以内に重加算税が課された場合(無申告)50%
参考:()内の数字は、本税のうち50万円を超える部分に対して適用されます。

ちなみに、加算税や延滞税は新たに納める事になった本税に対して課税されます。従って、赤字の会社(繰越欠損金が有る場合)は、税務調査で指摘を受けたとしても、繰越欠損金の範囲内で終わる限りは加算税や延滞税が発生しません(将来的に使用出来る繰越欠損金は減りますけどね。)。

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