ボーナス

海外FX業者を使って利益を得ると、総合課税の雑所得として確定申告をする事になります。

国内FX業者であれば申告分離課税となるので、どれだけ利益を得ても税率は20%(所得税15%・住民税5%。別途、復興特別所得税として所得税の2.1%)ですが、総合課税の場合は5%〜45%の超過累進税率です。

その結果、他の所得と合算して税額を算出するので、FXの他に給与等の収入が有る方の場合は簡単に税率が上がってしまいます。

参考:総合課税の場合、所得税と住民税の合計税率が20%となるのは、課税所得合計が約425万円のときです(所得税の速算表上の税率は表面税率なので、控除額を考慮した実質税率で考えた場合)。課税所得が425万円のとき、実質所得税率が約10%で住民税率は10%の固定なので合計で約20%となります。所得合計が425万円というのは、FXの他に給与所得等が有る方の場合、結構簡単に超えてしまう可能性が有りますね。

従って、海外FX業者を使ってFXをする場合は、国内FX業者の場合よりも節税対策が重要となって来るのです。

ここでは、海外FX業者を使った際の節税対策として、FX業者から貰えるボーナスの活用について見ていきましょう。

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海外FX業者のボーナスとは?

疑問

海外FX業者のボーナスとは、そもそも何の事でしょう。

これは、新しく口座を開設したときなどに海外FX業者が投資資金(証拠金)をプレゼントしてくれるサービスの事を言います。

ボーナスを貰うには様々な要件が有りますが、以下の様なタイプが一般的ですね。

  • 口座開設が完了すると貰える
  • 口座に資金を入金したときに貰える
  • 取引量に応じて貰える
  • ロスカットされたときに貰える

なお、「口座開設をすればキャッシュバックが貰える」といったFX業者は国内にも有りますが、国内FX業者から貰ったキャッシュバックは、すぐに現金として引き出す事が出来ますよね。

一方の海外FX業者のボーナスは、貰っても証拠金としてしか使う事が出来ず、基本的に付与されても即出金する事は出来ません(一定の条件をクリアすれば出金出来る業者は有ります)。

なぜ、海外FX業者がこの様なボーナスを積極的に提供するのかというと、これには取引方法が大きく関係しているのです。

NDD取引とDD取引の違い

FX業者には、社内にディーリングデスクを置いて顧客が注文した内容と反対の売買を行うDD取引(ディーリング・デスク)と、客からのオーダーを全てカバー先に投げて()そこにマージンを乗せて利益を獲得するNDD取引(ノン・ディーリング・デスク)とが有り、一般的には以下の様に棲み分けされています。

:FX取引は、投資家とFX業者との相対取引です。従って、どちらかが儲ければどちらかが損失を被ります。FX業者は損失のリスク回避の為に、引き受けた注文と同等の注文を別の金融機関(業者)で行うのですが、これをカバー取引といいます。

  • 海外FX業者⇒NDD取引
  • 国内FX業者⇒DD取引

NDD取引の場合は、取引自体にマージンを乗せているので「取引量が増えれば増えるほどFX業者は儲かる」仕組みになっているのです。

その結果、「取引量を増やしたい⇒口座開設をたくさんしてもらい、取引もたくさんして欲しいからボーナスを払う」という構図が出来上がるという訳ですね。

提案する女性

なお、国内FX業者はDD取引によって反対売買をしていると書きましたが、実際には「呑む」形で取引をしている為、通貨の取引はしていない様です。

どういう事かと言うと、FXの個人投資家は全体の9割方が市場の動きと反対の方向に売買をして、短期間のうちに証拠金を失って市場から退場するのが実情となっています。従って、FX業者は敢えて反対売買をしなくても放っておくだけで勝手に投資家が損をしてくれる(=業者が儲かる)のです。

例えるなら、「知り合いに馬券を買っておいてくれと頼まれお金を貰った際に、買った事にしておいて実際には買わない」という感じですね。放っておいても外れる事が多いので、貰ったお金がそのまま利益になります。これがいわゆる「呑む」取引です。

馬券が当たった場合は、その分負担をしなければいけないですが、トータルで考えると当たる確率の方が低いでしょうから、負担も少なくて済みます。

これと同じ事が国内FX業者でも起きているのです。なお、一部のFX取引に長けた投資家が利益を獲得しますが、その部分についてはカバー取引によってリスクヘッジをしている様ですね。

結局のところ、国内FX業者の場合は、投資家が負ければ負けるほど儲かるという事です。これからFXをしようと考えている方からすると、微妙な気持ちになってしまいますね・・・。

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海外FX業者のボーナスで節税対策!

税金

海外FX業者を使うとボーナスを貰えるケースの多い事が分かりましたね。

では、なぜ海外FX業者から貰うボーナスが節税対策に繋がるのでしょうか。以下で、海外FX業者のボーナスが有るケースと無いケースとで税金への影響を比較してみましょう。

ボーナスが無い場合

まず、ボーナスの貰えない海外FX業者を2社(A社・B社)利用しているケースを考えてみます。

取引の内容・結果は以下の通り。

業者初期投資額ボーナス取引による利益残金
A社50万円0円150万円200万円
B社50万円0円-50万円0円
合計100万円0円100万円200万円

このケースでは、150万円−50万円=100万円の利益が出ていますよね。この100万円が総合課税の対象となる雑所得です。

参考:海外FX業者と国内FX業者とで損益通算をする事は出来ませんが、海外FX業者同士の利益と損失は通算する事が出来ます。

給与所得が500万円の方の場合(便宜上、所得控除は基礎控除の38万円のみ)、課税所得金額は562万円(500万+100万−38万)となります。

下記の速算表を使って計算した結果、所得税額は696,500円(562万円×20%−42.75万円)です。仮にFXの所得が無かったと仮定すると、所得税額は496,500円(462万円×20%−42.75万円)となります。

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超330万円以下10%97,500円
330万円超695万円以下20%427,500円
695万円超900万円以下23%636,000円
900万円超1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

つまり、FXの所得100万円に対して20万円(20%)の税金が発生する、という事ですね。

なお、これは所得税の話なので実際には別途住民税が10%必要となります。

ボーナスが有る場合

電卓と女性

次に、入金ボーナス50%の海外FX業者を利用したケースを考えてみましょう。

取引内容や結果は以下の通り。

業者初期投資額ボーナス取引による利益残金
A社50万円25万円150万円225万円
B社50万円25万円-75万円0円
合計100万円50万円75万円225万円

A社では150万円の利益が出たものの、B社では証拠金が全部無くなってしまったというケースですね。この場合、表面上の利益は75万円(150万円−75万円)となります。この75万円が総合課税の対象となる雑所得です。

ボーナスが無いケースと同様に税金を考えてみましょう。給与所得が500万円の場合、課税所得金額は537万円(500万+75万−38万)となります。

結果、所得税額は646,500円(537万円×20%−42.75万円)です。FXの所得が無かった場合の所得税は496,500円(462万円×20%−42.75万円)なので、FXの所得75万円に対して15万円(20%)の税金が発生するという事ですね。

ボーナスが無い時と比べると税金が減っている事が分かりますね。

実際にはA社で150万円の利益、B社で50万円の損失が出ているのですが、ボーナスとしての証拠金があるため、損失が大きくなるという訳です。

現実の取引ではこの例の様に税金が綺麗に無くなる事は無いでしょうが、出金の出来ない入金ボーナスの有る業者を使った方が、損失を大きく計上出来る可能性が有りますね。

海外FX業者のボーナスは利益ではない?

上の計算例を見ていて「ん?」と思った方もいるのではないでしょうか。「海外FX業者からのボーナスを利益として計上しなくても良いのか」、という点ですよね。

この点については、現時点では法律上の明確なルールは有りません

従って、「これが正解!」というものは特に無いのですが、証拠金としてしか使用する事が出来ず現金化の出来ない様なボーナスについては、基本的に利益として計上する必要は無いでしょう。

スーパーマーケットのポイントカードに溜まるポイントや、航空会社のポイントカードで溜まるマイルなどと同じ様な意味合いですね。

とはいえ、気になる方は一度税務署で相談してみた方が良いでしょう。

非居住者になって節税!?

地球儀

他にも海外FX業者を使っている投資家の節税対策として「非居住者になる」というものが有ります。

参考:非居住者とは、国内に住所が無い若しくは1年以上にわたって引き続き海外に住んでいる方の事を言います(参照元:国税庁「タックスアンサー 居住者と非居住者の区分)」。

日本に住んでいる方は、国籍に関係無く日本で得た所得に対する税金を日本で納めなければなりません。

一方で、日本人でも海外に住んでいる場合は、海外で得た所得に対する税金はその国で税金を払う事になります。

そこで、香港やマレーシア、シンガポールなど日本よりも税金の安い国に移り住んで、税金を安くするという方法が節税対策として有効なのです。

タイやシンガポールなど海外在住者のFX利益にかかる税金

参考:国内FX業者の場合は、日本国内に住所の有る方しか口座を作ったり使ったりする事は出来ませんが、海外FX業者の場合は日本に住所があるかどうかは基本的に関係有りません。

とはいっても、FXの税金を節約する為にわざわざ海外に移住するという発想が出るのは、数千万円〜億単位の利益が出ている敏腕トレーダーくらいでしょうね・・・。普通に日本で働いて副業でFXをしている人には、あまり縁のない話かもしれません。

まとめ

いかがでしたか?海外FX業者を使っている方には国内FX業者には無い、特有の節税方法が有ります。

海外に移住するのは現実的には厳しいでしょうが、ボーナスを使った節税は結構有効かもしれないですね。

但し、繰り返しになりますが、海外ボーナスの課税上の取扱については法律上の明確な決まりが無いので、気になる方は税務署等に問い合わせてみる事をオススメします。

また海外業者によってはボーナス詐欺もあるようです。海外業者を利用して取引をする場合は、くれぐれも詐欺に合わないよう最善の注意を払って取引するようにしてください。

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