「法人口座でFX取引しようと思うけど、資本金はいくらあればいい?」
「あまりお金が無いから、資本金は50万円くらいでも良いかなぁ・・・。」
これから法人でFX取引をしようとしている方!
こんな疑問を抱いていないですか?
また、会社の設立が資本金1円でも出来るからって、「少ない資本金にしよう!」なんて考えていませんか?
確かに、現在は最低資本金制度が撤廃されたので、1円でも法人を設立することが可能です(*)。
しかし、FX取引を法人でする場合は、最低資本金制度が無くなったからといって、資本金を1円にしていい訳ではありません!
なぜなら法人口座を開設する際に基準となる最低資本金学をFX業者が独自に定めているからです!FX用に会社を設立したものの、資本金が基準額に満たない場合はそれだけで口座開設を断られてしまうので注意が必要ですね。
そこで、ここでは主なFX業者別の法人口座開設時に求められる「最低資本金額」について見ていきましょう。
主要国内FX業者で法人口座開設の審査をクリアするのに必要な資本金を一覧形式で紹介!
主要国内FX業者の、法人口座開設時の最低資本金は以下の通りです(2018年4月時点)。
社名 | 最低資本金額 |
---|---|
DMMFX | 500万円 |
外為ジャパン | 500万円 |
GMOクリック証券 | 100万円 |
YJFX! | 100万円 |
FXプライム | 100万円 |
セントラル短資FX | 100万円 |
岡三オンライン証券 | 100万円以上 (かつ、十分な金融資産があること) |
AVATRADE | 100万円 資本金100万円以下かつ資産50万円以下の場合は担当から連絡あり。 資産が50万円以上であっても資本金が100万円以下の場合は連絡が来る可能性あり。 |
外為ファイネスト | 50万円 |
ヒロセ通商 | 最低資本金額はないが、 資産が200万円以上必要 |
JFX株式会社 | 最低資本金額はないが、 資産が200万円以上必要 |
インヴァスト証券 | 最低資本金額はないが、 純資産が50万円以上必要 |
ひまわり証券 | 資本金と事業年商の合計が200万円以上必要 |
東郷証券 (旧:efx.com証券) | 最低資本金額はないが、 年商500万円以上・投資可能金額50万円以上必要 |
みんなのFX | 最低資本金額の決まり無し。 |
外為ドットコム | 最低資本金額の決まり無し。 |
SBIFXトレード | 最低資本金額の決まり無し。 |
FXブロードネット | 最低資本金額の決まり無し。 |
上田ハーローFX | 最低資本金額の決まり無し。 |
FXTF | 最低資本金額の決まり無し。 |
ARENA-FX (エキサイトワン) | 最低資本金額の決まり無し。 |
SAXOBANK | 最低資本金額の決まり無し。 |
FOREX.com | 最低資本金額の決まり無し。 |
IG証券 | 最低資本金額の決まり無し。 |
大和証券 | 最低資本金額の決まり無し。 |
松井証券 | 最低資本金額の決まり無し。 |
カブドットコム証券 | 最低資本金額の決まり無し。 |
ライブスター証券 | 最低資本金額の決まり無し。 |
ジャパンネット銀行 | 最低資本金額の決まり無し。 |
MoneyPartners | 口座開設の条件は非開示 |
外為オンライン | 口座開設の条件は非開示 |
楽天証券 | 口座開設の条件は非開示 |
MonexFX | 口座開設の条件は非開示 |
マネースクウェア・ジャパン | 口座開設の条件は非開示 |
アイネット証券 | 口座開設の条件は非開示 |
OANDA | 口座開設の条件は非開示 |
フィリップ証券 | 口座開設の条件は非開示 |
野村証券 | 法人口座は開設不可能 |
ソニー銀行 | 法人口座は開設不可能 |
じぶん銀行 | 法人口座は開設不可能 |
新生銀行 | 法人口座は開設不可能 |
こうして見ると、資本金の額を口座開設時の条件として明示しているFX業者はあまり多くないですね。最低資本金額の決まりがない業者が一般的の様です。
ただし、最低資本金額の決まりが無いからと言って資本金をいくらにしてもいい、という訳ではありません。これは、「資本金の額がいくらでも審査はしますよ」ってだけで、資本金の額も含めた総合的な判断によって口座開設の可否が決まる、という意味です。
審査の結果口座開設が出来なかった場合、なぜ審査落ちしたのかという理由については教えてもらうことが出来ません。万が一、少なめの資本金にして審査に落ちてしまったら、諦めきれないですよね・・・。
そこで、「あまりお金は無いけど審査には落ちたくない!」という方は、最低資本金額を決めている業者の中でもっとも多い100万円にしておけば、資本金については問題ないのかなと思います。
なお、法人口座を開設する場合、資本金基準以外にも満たすべき条件はいくつかあります。詳細については「【案外簡単】FXの法人口座の開設・作り方・審査まとめ・・・記事未了」を参考にしてください。
FX法人で口座開設するなら資本金は1,000万円未満がベスト!
法人でFXの口座を開設する際の最低資本金について紹介しましたが、資本金は基準をクリアするだけでなく出来るだけ多くした方がいいのでしょうか?
この点、FX法人を設立する場合の資本金は、「利用するFX業者の定めている最低資本金額以上1,000万円未満」にする事をオススメします。
なぜか?
資本金を1,000万円未満にすべき理由は以下の2点です。
- 資本金が1,000万円以上になると、1期目から消費税の納税義務者になってしまうから
- 資本金が1,000万円超になると、法人住民税の均等割が高くなってしまうから。
まず、消費税についてですが、通常は会社設立後2年間は消費税の納税義務が無いのですが、設立時の資本金が1,000万円以上ある会社は、設立初年度から消費税の納税義務者となります。
つまり設立時の資本金を1,000万円以上にする事で、2年間の消費税免税の恩恵を自ら放棄する事になってしまうのです。
参考:特定期間の課税売上(若しくは給与の額)が1,000万円を超えると、資本金の額に関わらず翌期から消費税がかかります。
これはもったいないですよね・・・。とはいっても、FX投資法人の場合、売上の大部分がFX取引によるものなのであれば基本的に課税売上が無いでしょうから、消費税についてそこまで神経質に考える必要は有りません。
次に、法人住民税の均等割です。法人住民税(道府県民税・市町村民税)の均等割は、資本金や従業員数に応じて課せされられる税金で、赤字でも発生します。自治体によって多少の差はありますが、均等割額は基本的に7万円です。
ただし、資本金が1,000万円を超えると住民税均等割の金額は一気に高くなってしまいます!
例えば、東京23区内に会社が有る場合(従業員数50人以下)、資本金が1,000万円以下なら均等割は7万円で済むのですが、1,000万円を超えると一気に18万円に上がってしまうのです。ちょっとした差で11万円も税金が変わって来るので、要注意ですね。
→会社の税金・税率まとめ【法人税や住民税・源泉所得税etc】
従って、消費税上も住民税上もメリットを享受しようと思ったら資本金は最高でも9,999,999円にする必要が有る、という訳ですね。
資本金を増やさずに取引証拠金を増やすには?
FX投資法人を設立した際の資本金は、基本的にFX取引を行う為の証拠金に使いますよね。
設立当時の資本金で十分に取引が行えるのであれば問題無いですが、中には「証拠金を増やしてより多くの取引をしたい」、「ロスカット等により追加の証拠金が必要となった」というケースも有るでしょう。
取引証拠金を追加しようと思ったら、絶対に増資をしなければならないのでしょうか?
この点、新たに増資をする必要は有りません。増資をすると登録免許税や専門家への報酬等が必要になるので、出来れば避けたいものですよね。そこで、役員(社長等)が会社にお金を貸し付ければいいのです。
会社側からすると「役員からお金を借りた」という状況になるので、役員借入金(債務)として認識する事になります。これは、資本金とは明確に区別して処理する事になり、登記等は不要なので余計な経費も発生しません。
なお、会社が役員からお金を借りた場合は利息を取る必要はありません。もちろん、利息を取っても良いのですが、その場合は役員が確定申告をする必要が出てきて面倒ですよ。
参考:逆に会社が役員にお金を貸した場合は「役員貸付金」となり、会社は利息を取らなければなりません。
従って、設立当初は資本金を可能な限り抑えて、必要な分は役員から会社に貸し付けるという方法で対応する事をオススメします。
まとめ
FX法人を設立して法人口座を開設する際の資本金額について解説してきました。
法律上は最低資本金制度が撤廃されたので、資本金を1円にしても問題無いですが、FX投資法人を運営する上ではFX業者の定める最低資本金を上回っていないと口座開設は出来ない事が分かりましたね。
法人を設立する際は、予め「どのFX業者を利用するのか」「その業者は口座開設に最低どれだけの資本金を必要としているのか」などについて知っておく様にしましょう。