領収書

事業に関係する支出であれば、基本的には何でも必要経費や損金として認められます。しかし、中には電車代やバス代の様に、通常領収書が発行されないものも有りますよね。

領収書が貰えない支出については、どの様にして経費処理をすればいいのでしょうか?以下で詳しく見ていきましょう。

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領収書は絶対に必要?

ある支出を事業上の経費にするのには、絶対に領収書が必要なのでしょうか?

結論からいうと、NOです。

提案する女性

確かに、法人には総勘定元帳や現金出納帳などの「帳簿」とともに、その根拠となる領収書や契約書といった「書類」も保存しておく義務が有ります(法人税法第126条・150条の2)。

領収書が無くても何でも経費として認められるのであれば、勝手に領収書を作って脱税をしたり、従業員が経費を水増し請求したり、といった可能性が否めないですからね。

しかし、自動販売機で会議用の飲み物を買った場合や慶弔費等の様に、領収書の発行されない取引が有りますし、領収書を紛失してしまう事も有るでしょう。

その様な場合にまで「領収書が無いと一切経費を認めません」としてしまうと、課税上弊害が生じますよね。そこで、領収書が無い取引の場合は、出金伝票などに取引の内容や金額等を記載して保存しておけば問題無いのです。

参考:法人税上は、領収書が無くても取引内容などをしっかりと記録しておけば問題になる事はあまりないですが、消費税の仕入税額控除を計算する上では領収書が必要となります。3万円以上の取引に関して領収書等の書類が無い場合は、やむを得ない事情が有る場合を除き仕入税額控除が受けられないので、注意が必要です(消費税法第30条第7項・消費税法施行令第49条)。

但し、領収書が無いものを経費として処理する場合は、その支払った事実や内容を説明する責任は納税者側に有ります。税務調査が入っても調査官にしっかりと説明出来る様に、事実に基づいた記録をする様にしましょう。

領収書の無い電車代やバス代の経費処理方法

電車

電車やバスは料金を払った際に、基本的に領収書が発行されません。では、どの様にして経費処理をすればいいのでしょうか?

参考:電車の場合、自動券売機から領収書を発行出来る事が有ります。また、券売機で発行出来ない場合でも駅係員に領収書の発行を依頼すれば貰う事が可能です。バスの場合は、運転手に依頼すればその場で発行してくれる事が有ります。どちらの場合も運営会社によって対応が異なる様ですね。

この点、記帳の仕方によって2つの方法が考えられます。

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継続的に記帳する場合

日々の取引を逐一帳簿に記帳する場合は、電車を利用した際に出金伝票を書きそれを基に記帳しましょう。

この際、JRや地下鉄などの交通機関毎に書く必要は無く、「東京駅〜新宿駅往復」といった様な記載方法で構いません。

帳簿には、以下の様な仕訳をきる事になります。

日付借方金額貸方金額摘要
7月1日旅費交通費400現金400東京駅〜新宿駅往復

ちなみに、JR東日本と首都圏の私鉄では消費税8%に上がった際に電車代の値上げを実施しています。その結果、ICカードの場合は1円単位まで料金が発生し、キップを購入する場合は10円未満の端数は切り上げとなっている様です。

参考に、東京駅から新宿駅までの運賃をジョルダンの乗換案内で検索すると、以下の様な結果が表示されました。ICカードだと194円でキップ購入だと200円と、6円も差が出ますね・・・。

乗り換え案内

一定期間毎にまとめて電車代を記帳する場合〜経費精算表を活用!〜

取引毎に記帳するのは面倒だという方は、電車やバスを使った際の交通費を一定期間毎にまとめて精算する形式で記帳するのでもOKです。

参考までに、精算表のサンプルを作ったので載せておきます。特に形式が決まっている訳では無いので以下の様な簡単なもので構いませんよ。

交通費精算表

この場合、帳簿上の仕訳や摘要等は以下の様になります(前提:7月分の交通費5,600円を山田さんが精算申請)。

日付借方金額貸方金額摘要
7月31日旅費交通費5,600現預金5,6007月分交通費精算
(山田分)

この方法で記帳すると、1ヶ月分の交通費に関する仕訳が1本で済むので手間が省けますね。

もちろん経費精算表は別途保存しておいてくださいね。一本で仕訳を切る事ができるのは、別途「経費精算表」という明細表があるからこそです。

仮に税務調査等で内訳を見せてください!と言われた場合でも、経費精算表にしっかりと明記されているのであれば抗弁も出来ますよね。

【補足】SuicaなどのICカードを使った場合は、利用明細(履歴)も貰おう!

ICカード

最近は、JR東日本で利用出来るSuicaやJR西日本のICOCAといったICカードを使って電車に乗る方が多いですよね。

ICカードは、現金をチャージしたときに領収書が発行されます。しかし、これはチャージした事を証明する領収書であって、電車を利用した事を証明する領収書では有りません

ICカードを使うと、電車に乗る以外にも色々な買い物が出来てしまいますからね。そこで、業務に関連して使用した事を証明する為には、チャージした際の領収書だけでなく利用履歴の明細も保存しておく事をオススメします。

チャージしたときの領収書しか保存していない場合、税務調査で否認されてしまう可能性が有りますよ。

利用履歴の取得方法は、Suicaは「JR東日本(履歴表示・印字・残額表示)」、ICOCAの利用履歴は「JRおでかけネット(ICOCAでのきっぷの購入やご利用履歴の確認方法)」で紹介されています。どちらも自動券売機で入手出来ますね(カードリーダやソフトが有れば自宅でも見る事が出来ます。)

他のICカードでも利用明細は入手出来るので、気になる方はカード会社等に問い合わせる様にして下さい。

WEB上から利用明細をダウンロードできるICカードも多いですが、過去分の参照可能期間が短く設定されているICカードもあるので、利用明細は出来るだけ適時に入手しておきましょう。

慶弔費(祝い金・香典)や見舞金等を支払った際の処理

慶弔費

慶弔費や見舞金等を社外の関係者や従業員等に対して支払う事が有りますよね。

これらの支出についても領収書は発生しません。相手に「領収書を下さい」と言えば貰えるのかもしれないですが、それはかなり失礼ですからね・・・。

参考:取引先等の社外関係者に対して支払う場合は「接待交際費」、従業員や役員等へ支払う場合は「福利厚生費」として処理します。

では、どうすればいいか。慶弔費などの場合は、列席御礼の書状や招待状などに、支払った金額を書いて残しておく様にしましょう。それが支払証明書としての役割を果たす事になります。

書状などが無い場合は、出金伝票などに「支払年月日・支払った相手・金額・領収書が無い理由」を記載して保存しておく様にしましょうね。

まとめ

いかがでしたか?電車やバスなど、通常領収書が発行されないものでも経費として処理出来る事が分かりましたね。

領収書が有ると一番証明力が高いですが、無い場合は出金伝票や精算書等をきちんと作って、事業に関係ある支出だという事を証明出来る様にしましょう。

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